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研究・社会貢献

平成25年度 厚生労働省老健局老人健康推進事業
被災地住民が主体になって行う高齢者コミュニティ活動促進に於ける調査・研究事業

事業目的

東日本大震災被災地の高齢者に対して、自立的に活動できる運動サークル活動、コミュニティ活動の促進の手法について、「運動」をキーワードとして活動の促進手法を調査することを目的とする。

事業内容

事業1.健康生活サポーター養成講座実施

客体:宮城県東松島市、七ヶ宿町、福島県新地町へ、各市、及び町の広報に募集要項を記載し、全戸配布した後に応募した高齢者を客体とした。

実施方法:平成25年7月31日、8月7日に東松島市コミュニティセンターに於いて、健康生活サポーター養成講座を実施した。参加者は20名であった。次に、11月13日、14日に七ヶ宿町にて健康生活サポーター養成講座を実施した。参加者は23名であった。11月21日、22日には福島県新地町で養成講座を実施した。参加者は30名であった。

事業2.インタビュー・アンケート

客体:宮城県東松島市では健康生活サポーター養成講座参加者に協力を促した。参加者数が少ないため、以降、事業3.で実施する「運動機能検査(自分の体力を知ってみよう)」を町広報に載せて、「運動」に興味のある高齢者を、七ヶ宿町、福島県新地町で広報を行って募集した。

実施方法:宮城県東松島市では8月8日、及び9日の「運動機能検査」日に同時に実施した。実施方法は、あらかじめ作成されたアンケートに沿って、質問の回答を得ながら、質問に関連する会話を参加者の許可を得て録音し、後にキーワードや頻度を抽出した。参加者は15名であった。また、同様に、福島県新地町では9月9日、11日で実施し、参加者43名であった。七ヶ宿町では8月19日、20日で実施し、参加者は34名であった。

事業3.運動機能検査

客体:事業2.のインタビュー・アンケート参加者と同じ

実施方法:実施日時は事業2.と同じ日で実施した。運動機能検査項目は、股関節屈曲、膝伸展屈曲、足関節背屈、握力、ファンクショナルリーチテスト(FRT)、CS-30テスト、タイムドアップアンドゴーテスト(TUG)、タンデム立位時間、片脚立位時間を計測した。(調査票は別紙参照)

事業実施期間

平成25年5月31日 から 平成26年3月31日 まで

調査結果及び考察

主体的な活動実践に関する要因として「(活動することで)勉強になる」「運動は大切」「目標が出来る」「楽しい」に加え、養成講座受講者の中から、「他の人にも教えたい」「友人が出来た」「新たに運動の仲間を作りたい」というキーワードが抽出でき講義の満足度は高かった。知識として運動の価値やそれを実践する方法を講義で学ぶとともに可視化できるレクレーション体操のDVD配付により、他者との関係作りのツールを提供する事ができた。しかし、現在運動サークルの問題点として、「高齢だから無理」というキーワードが多く、新たな活動をしたいと望む者の年齢層は40~50歳代と若い参加者であった。加えて,運動機能検査の結果からは、全体的に下肢の筋力が全国平均より低く、特に仮設住宅居住者で有意に下肢筋力が低いことが判った。

健康生活サポーター養成講座参加者146名の多くが、運動頻度は高いと回答しているが下肢筋力は低く、日頃行っている運動は下肢筋力維持に相応しておらず機能的に作用していないと考える。また、仮設住宅においては下肢筋力が低下するほど、活動量等が低下しているものと推察された。さらに、BMIも全国平均より高く、日常の活動量低下もその要因と考える。運動を継続的に行う上でレクリエーションだけでは無く、筋力増強などに必要な負荷をかけ、適切な運動を指導する必要性があると考える。

今回の参加者は比較的積極的で、自身で参加を決めた者であるが、健康寿命の伸延という観点から生活機能レベルの維持、向上においては、運動の量だけでは無く、質(運動負荷量、部位)なども考慮する必要があることが示唆された。また、課題もあるがサポーターの中から、新たなサークル活動へと繋がる可能性を確認できた。

提言

  1. 運動サークルなどの現リーダーが高齢化しており、新たな後継者の育成が必要
  2. 運動サークル参加者、及び興味を持っている者に関しては、頻度の充足は見られたが、筋力などの質の要素が不足しており、運動の負荷量も考慮した指導も必要

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