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研究・社会貢献

東北福祉大学の挑戦 ー地域共創に向けてー

開かれた大学

今日の大学像を表す表現として、しばしば「企業家型大学」の用語が使われますが、この用語には、時代の変化から課せられる社会的要請に立った定義と、時代の変革を切り拓いていこうとする立場からの定義の二通りの解釈があります。前者では、研究と教育に加えて、知識の移転、研究成果の製品化や新企業の設立を通じて、経済発展に寄与することを組織の正当な使命とすることが「企業家型大学」とされ、後者では、国家と市場の間の第三の道、大学という制度の自己信頼に向けた新たな選択肢を具現化するため、自己変革に前向きな大学が「企業家型大学」とされます。しかし、恐らく、長期的な視点でみると、「企業家型大学」が、あらゆる経済主体が戦略的かつ手段合理的な活動に専心する今日の趨勢に乗った、いわば、時代変化への実利主義的参加であれば、世の尊敬を獲得するのは難しいように思われます。

本大学は、名称に『東北福祉大学』を掲げ、「福祉」は本学の使命を表し、「東北」は単に所在地を表すのではなく、この地に在ることの責任を負う意志の表明であり、自らのアイデンティティ自体に「東北」という要素が含み込まれていることを表しています。

過去一世紀余の東北のたどった歩みをふり返ってみると、農業と工業、農村と都市、若者と高齢者、中央と地方といった隔絶が拡大してきた過程で、打って一丸的な国家的課題に対する下支えの役割を演じてきました。そうした逆境から脱するためには、いかに困難な境遇にあっても粘り強く道を切り拓く愚直な知力が普遍性を有する秩序の形成に連なるとする、東北の歴史的志望を現代に甦らせ、それを未来に繋ぐ道筋をつけることが、今ここに生きる者の責務といえるかもしれません。そして、文明的資源とされるものも、かつての土地や天然資源という人間にとって所与のものから人間自身の感性や知的能力へと移りつつある今日、地域の未来の可能性は主体的条件により大きく依存することになります。

本学は、社会的な革新の触媒役として、人を育て、人の可能性を伸ばすことを第一義とし、さらに、異なる世代、職業や多様な経歴、また様々な視点を持つ人々が参加する、自主性と連帯性の融合に基づく対話空間を作り、そこから新たな『地域共創』の試行を生み出していけるように、諸センターの開設による各種研修会や市民との共同事業の実施と、キャンパスや諸施設を舞台とする講演会、シンポジウム、音楽会、映画会、ミュージカル、お祭りなどの開催を通して、大学を開かれたシステムとすることで、自らに課した責務を果たそうとしています。

開かれた大学

生涯学習センター、ボランティアセンター、地域滅災センター、特別支援教育研究センター、次世代教育センター、予防福祉健康増進センター、仙台元気塾、国際交流センター、芹沢銈介美術工芸館、音楽堂(けやきホール)、各種スポーツ施設

本学の『地域共創』は、東北という空間域を作業単位として設定し、そこへのコミットメントを前提にしています。しかし、大学の『地域共創』は、当該地域の問題解決のみならず、それを越える時代の課題解決の基礎をその地域へのコミットメントに託すという側面ももっています。とりわけ現代の世界化の一層の進行下においては、様々な仕切りが融解し、技術・文化・歴史などそれぞれの条件において異なる社会・組織・集団そして個人が、リアルタイムでかつ同一平面上で相互交渉や競争を強いられ、それぞれ自分の姿を客観的な診断に晒すことを余儀なくされます。したがって、地域も大学もまた、アイデンティティーの探究の中に世界を名宛とする多元的な行動空間の連関像を組み立てなければなりません。

本学は、これまで、中国、韓国、台湾、ベトナム、スロヴェニア、ロシア、フィンランド、アメリカなどの諸大学と交流協定を結び、また、地域の産学官と組んだ仙台フィンランド健康福祉センタープロジェクトや仙台知的クラスタープロジェクトに関与し、さらに、ニューヨーク市のジャパン・ソサエティにおける芹沢銈介美術工芸展の開催やOECDのInstitutional Management in Higher Education プロジェクトへの参加など、自らの職分を通じて東北と世界をつなぐ役割の一端を果たしています。

これまで紹介させていただいた種々の試みは、最初から明細な青写真に従った事業進行というより、その時々の時代変化から何を課題として読みとり、建学の精神をいかに具現化したらよいか、そのアイデンティティの自己更新への挑戦の現段階における到達点を表しています。しかし、今日的条件下における適応は明日の挑戦に対する適応性の保証とはならず、他方、明確かつ焦点のはっきりした使命がなければ組織としての能力を失うことになります。したがって、本大学は、時代を越える基本理念を守り抜く一貫性を保持しつつ、常に先見性と創造性を発揮して自己革新を続け、学生がここに学び、学んだことに誇りをもち続けることができるよう、前進していくことを期しています。

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