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研究・社会貢献

東北福祉大学の挑戦 ー地域共創に向けてー

感性福祉研究所の設立

研究所の目的

研究所の組織構成については、三つの特徴をもっています。その第一は、研究所には、管理を担う事務局を除いて、専従の研究員はおらず、研究者はそれぞれの大学や研究機関、施設に本籍を持ちながら、研究プロジェクトへの参加という形を取っていることです。

第二には、研究所は、設立以来、文部科学省の『学術フロンティア推進事業』と『戦略的研究基盤形成支援事業』に選定されています。これらの事業は専ら研究者のイニシアティブに基づく「科学研究費補助金」と異なり、趣旨において、特定研究領域における内外の研究機関との共同研究を推進することによって中核的研究拠点を形成することにあり、また、当該大学が研究費の半分を負担することから、研究プロジェクトの立ち上げや推進において、大学の強いイニシアティブやコミットメントを有している点です。

第三に、研究活動は研究所内で自己完結的と言うことではなく、研究所はネットワークにおけるノード的役割を果たしている点です。例えば、研究チームのメンバーには、本学以外の研究機関から多くの研究者が加わっています。さらに、研究のミッションを広めるため、本学の提起によって、2001年に日本感性福祉学会を設立し(2010年3月現在、会員587名)、また外国の諸大学との共同研究も進めています。

この研究所は、プロジェクト基盤型の組織形態を採用したことによって、専従型研究組織の陥りがちな硬直性を免れ、研究推進上の必要に応じて、研究組織の拡大や組み替えが可能となる柔軟性を持つことが出来ていますが、2008年からは、研究活動をさらに活性化するため、二つのセンター――『感性福祉研究センター』と『健康科学研究センター』――から構成される組織編成としています。

研究課題

第Ⅰ期における研究活動は、「生命科学を基礎とする感性と環境の相互作用に関する学際的研究」の研究課題のもとに行われました。現代における諸々の病理的現象の背後に「感性」の衰弱があるとの認識に立ち、環境との相互作用の中で「感性の覚醒」を目指すことこそが個々人の幸福の追求に不可欠であるという理念のもと、基礎的研究として、五感を介する刺激への脳の応答を見る脳機能研究、ストレス指標や感性影響物質に関する生化学的研究、感性や生命力に及ぼす地域特性、居住環境、食環境、音環境に関する調査研究、さらに臨床美術、アロマテラピー、園芸、乗馬療法などの効果とそのメカニズムに関する研究など、広範な分野に亘って研究が実施されました。

2004年から始まる第Ⅱ期には、「五感を介する刺激測定に基づく健康向上のための人間環境システムの構築」を研究課題に設定し、第Ⅰ期の研究成果を踏まえて、「健康」を焦点に据えた実践的な応用研究を中心に行い、心身の健康を維持・増進させるための「科学的指標」作りと「測定法」を確立すること、多様な処方を開発し健康・福祉サービスへ具体化すること、健康・福祉サービスからなる「総合的福祉環境」を作動可能とする社会的・制度的条件を明確にすることをプロジェクトの三本柱に掲げました。

研究プロジェクト
  • 学術フロンティア推進事業
    • 生命科学を基礎とする感性と環境の相互作用に関する学際的研究」(1998年~2002年度)
    • 「五感を介する刺激測定に基づく健康向上のための人間環境システムの構築」(2004年~2008年度)
  • 戦略的研究基盤形成事業
    • 健康科学研究センター
      「児童青年期精神障害および高齢者関連疾患における先進的個別化予防ケアシステムの構築に関する研究」(2008年~2012年度)
    • 感性福祉研究センター
      「ヘルス・システムの変容とヘルス・リテラシーに関する研究」(2009年~2011年度)

2008年の組織再編後においては、『健康科学研究センター』が「児童青年期精神障害および高齢者関連疾患における先進的個別化予防ケアシステムの構築」の研究課題に取り組み、個体の機能・生理を総合的に解明するための先進的な測定法を開発し、福祉医療領域での重要課題である高機能自閉症や統合失調症等の児童青年期精神障害と認知症・生活習慣病・骨粗鬆症等の高齢化に関連した疾患の成因・病態の解明を行い、心身の健康維持を図る予防法および疾患の慢性化予防法を開発することを目指しています。その課題達成に向けて、「児童青年期精神障害の病態解明と予防ケアシステム」「高齢者関連疾患の病態解明と予防ケア」「磁気共鳴法における新たな研究手法を用いた先端的脳機能イメージング」を三本柱に据えています。

『感性福祉研究センター』では、「ヘルス・システムの変容とヘルス・リテラシーに関する研究」を研究課題に設定しています。今日の健康と病気をめぐる世界を、従来の保健・医療の研究領域を越える、より広い「ヘルス・システム」として捉え、現代のヘルス・システムに作用しているダイナミックスが内包している偏向や問題を解明し、その問題解決に向けて、「ポジティブ・ヘルス」概念に基づくヘルス・リテラシー向上法の開発を目的としています。その課題達成のために「ヘルス・システムの変容とヘルス・プロモーション及びヘルス・リテラシー概念の再考」「ポジティブ・ヘルスの視点に立つヘルスリテラシーの理論的基礎づけ」「各種社会集団対応のヘルスリテラシー向上法の開発」の三つを作業目標として、研究作業を行っています。

知的・実践的挑戦

現在進行中の二つの『戦略的研究基盤形成支援事業』は、「21世紀型福祉」のあり方の探究にとって、健康・福祉に関わる基本概念――福祉・健康・ニーズ・ケア・サービス等――にどのような改鋳が必要になるか、そして、新たに定義される諸概念はどのような方策を通じて社会的実践に具体化されるかといった問題意識の下に進められています。その際、人間が人間的であるためには何を必要とするかという問いに対して、人間を、少なくても、全人的な存在――時間的には、生命・生活・生涯の三つの時間を、空間的には、生命・日常生活・社会生活の三つの空間を同時に生きる統一体――として捉えることを前提としています。

こうした試みは、医療・福祉分野におけるイノベーションを意図していますが、それを達成するためには、医療・保健・福祉の統合という今後の政策課題を視野に入れ、イノベーションの方法におけるイノベーションが必須であり、現場や地域が実験室となって、研究者・実践家・地域住民が協働作業に加わるだけではなく、研究者が個々の専門領域における自己の研究実践の性格や位置づけを直視することを通じて結び合う学々連携が前提になります。

戦略的研究領域の設定は、既成の専門分化したディスシプリンの部分知の単なる組み合わせではなく、既成のディスシプリンを越え、問題解決志向のプロジェクト(企図)として、新たな部分集合の組み立てを課題としています。しかし既成の学問上の区分を超越することの難しさ、特に隣接分野間においてより難しいという逆説がみられるのは、既成の概念枠組みの改鋳を迫られるからです。したがって、ここで云う知的挑戦は、いわば安楽椅子を一旦捨て去ってみるという思考実験、学がそれぞれの学問の方法に自己省察を加えるという試練を自らに課す作業ともいえます。

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